本文へスキップ
PLUSSCODE

TECHNICAL JOURNAL

イベント会場の案内サインをAIで作る|画像と編集できるPPTX、国内外の事例

AIでイベント会場の案内サインを試作。受付・会場 A・お手洗いの画像と編集用PPTXを公開し、国内外の事例や掲出前の確認点を紹介します。

  • 生成AI
  • イベント運営
  • 案内サイン
  • PowerPoint

検証環境

  • AIによる文案・配置の検討(2026-09-25)
  • Python 3.12.14
  • python-pptx 1.0.2
  • Pillow 12.3.0

イベント会場で来場者が知りたいのは、受付や次の会場がどちらにあるかです。サインはひと目で読み取れなければ役に立ちません。一方、会場名や動線は準備の終盤まで変わることがあります。そこでAIを使って表示文案と配置を考え、PowerPoint(PPTX)で文字と矢印を個別に編集できる形にしました。確認用の画像も書き出しています。

この記事は、イベントの案内や制作を担当する方に向けて、試作データと確認したい点をまとめたものです。題材は「みらいのまち展 2026」という架空のイベントで、実際の会場には掲出しておらず、現地での検証も行っていません。国内外の公開事例も調べ、制作時に参考にした点を記録しました。

試作したサインを画像で見て、PPTXで編集する

「受付」「会場 A」「お手洗い」を一枚ずつ作りました。行き先と方向を大きく置き、日本語の下に英語を添えています。下部には「架空イベント」と明記しました。矢印の向きは説明用で、実在する会場の経路を示しません。

架空イベントの受付を右矢印で案内する黄色地のサイン

図1:受付を右へ案内する試作サイン(株式会社プルスコード制作)。PNG画像を開く。縮小したときにも行き先と矢印が読めるか確認できます。

架空イベントの会場 Aを上矢印で案内する黄色地のサイン

図2:会場 Aをまっすぐ案内する試作サイン(株式会社プルスコード制作)。PNG画像を開く。矢印と行き先を一組にしています。

架空イベントのお手洗いを左矢印で案内する黄色地のサイン

図3:お手洗いを左へ案内する試作サイン(株式会社プルスコード制作)。PNG画像を開く。三枚とも同じ文字サイズと配色です。

同じ3枚のサインを収録した編集用PPTXをダウンロードできます。行き先、英語表記、矢印を変更し、画像として書き出して比べてみてください。PowerPointではスライドをPNGなどの画像で保存できます(PowerPointのスライドを画像として保存する手順(Microsoft))。

国内外の事例に見る、AIの役割と人の確認

以下の公開資料は2026年9月25日に確認しました。AIの役割は構想、背景制作、出展エリアのビジュアル検討などに分かれます。紹介する資料では、誘導文言や矢印をAIに決めさせた事例は確認できませんでした。

事例 公開資料で確認できた使い方 今回の試作への学び
国内・日立製作所の展示ブース 生成AIでブースのイメージを複数作成し、代理店が予算や施工規定に合わせて再設計した。案内サインそのものの生成事例ではない。 まず複数の方向性を比較し、制作条件は人が詰める。
国内・AWS Summit Japan 2025 受付のWelcomeボードなどに使う映像の背景をAmazon Nova Reelで生成。ロゴや文字、色の調整は編集工程で加えた。 読むべき文字を背景画像から分けて扱う。
海外・SXSW Sydney 2024 Canvaで会場サインを含む印刷物を制作。AIのMagic Writeはプレゼン資料の作成に使われたと報告されており、サインをAIが生成したとの記述はない。 ブランドの共通部品と、現場で直せる制作体制を用意する。
海外・AdobeのCannes Lions 2026 Firefly BoardsでAdobeの出展エリアに用いるビジュアルの方向性を検討し、さまざまな印刷物や画面へ展開。公開前の確認も行った。 サイン一枚より、媒体をまたいで揃う見た目と確認工程を設計する。
海外・Figma Config 2026 Figma Makeで質感づくりのツールを試した。会場では共通の造形を案内サインにも展開した。誘導文言をAIが決めた事例ではない。 装飾のバリエーションを増やしても、案内の読みやすさを優先する。

案内の使い勝手を考えるうえでは、大阪・関西万博のサイン検討も参考になります。協会は障がい当事者らがサインのサンプルを確認する機会を設けました。パシフィコ横浜での床投影サインは、開場前、開演中、終演後で表示する行き先を変えています。いずれもこの記事ではAI制作の事例として扱っていません。

実際の会場に応用する際は、AIで見た目や文案を検討し、正式名称、矢印、設置寸法は会場図と規定で確かめる必要があります。変更されやすい部屋名は、PPTXの編集できる文字として残すことにしました。

AIで文案を考え、編集できるPPTXにまとめる

実際の制作指示では、「受付→」「会場 A↑」「お手洗い←」の三枚、日英併記、見やすい文字、編集可能なPPTXと画像出力を条件にしました。会場図は使っていません。したがって方向は仮置きです。次は、同じ条件で文案を検討するための入力例です。

「みらいのまち展 2026」(架空イベント)の会場案内サインを考えてください。
行き先は「受付→」「会場 A↑」「お手洗い←」の3種類です。
各サインは一つの行き先だけを案内し、日本語と短い英語表記を添えます。
離れた位置から読む人を想定し、文字と矢印を最優先にしてください。
矢印の向きは仮置きとし、会場図を推測して決めないでください。
後で文字と矢印を直せるPPTXと、確認用の画像に出力します。
まず表示文案と配置を提案してください。

制作した3枚では、日本語を主、英語を補助として上下に配置しました。矢印は別の大きなテキストボックスです。背景色を黄(#F9E177)、文字色を濃紺(#102235)に揃え、1280×720ピクセルの画像へ書き出しています。PPTXの各ページには、行き先・英語・矢印・架空イベント名の四つの文字要素があり、個別に編集できます。画像に文字を固定すると、会場名が変わるたびに作り直す手間が増えます。今回は画面で確認するための16:9比率で作り、印刷用の寸法や塗り足しは設定していません。

最初の書き出しでは、日本語が四角い記号になりました。日本語に対応したNoto Sans CJK JPへ変え、3枚の画像を開いて文字を確認しました。PPTXを別の環境で開くとフォントが置き換わる場合もあります。編集後は画像を再出力し、文字と改行を見直してください。今回は画像生成モデルを使わず、AIで文案と配置を検討し、編集できる図形と文字でサインを作りました。

矢印と設置条件は、会場図と現地で確認する

AIは実際の分岐点、混雑時の見え方、設置場所の制約を知りません。現場に出す前に、会場図と運営計画に照らして行き先の正式名称、矢印、階数、掲出位置を確認します。離れた位置と近づいた位置の両方から見て、反射や人の流れで隠れないかも確かめます。図1〜3のような画像をウェブに載せる際は、代替テキストに行き先と方向を含めます。

標準的な図記号を使う場合は、国土交通省が掲載するJIS Z 8210の案内用図記号を参照できます。色だけで区別せず、文字と矢印でも行き先が分かるようにします。掲出方法には会場固有の規定もあります。たとえば東京ビッグサイトの誘導サイン設備利用案内には、寸法や設置時の条件が記されています。今回の試作について、各施設の設置基準への適合は確認していません。

編集できる元データを残し、現場条件を照合する

今回はAIで文案と配置を検討し、あとから文字や矢印を直せるPPTXを制作しました。画像は見た目の確認に使えます。現場での視認性や誘導の改善、制作時間の短縮は測っていません。

試作データを開き、イベント名や行き先を変えて画像を書き出してみてください。縮小しても、行き先と矢印をすぐに読み取れるか確かめられます。実際のイベントに使う段階では、会場図を使った矢印の照合と、掲出位置での確認が必要です。

出典・参考資料

執筆者

IT事業部

Web開発からAIの利活用まで、イベントや日々の業務を支える仕組みづくりに取り組んでいます。事業会社でデータ活用の推進に携わるメンバーが、海外事例や技術の検証を通じて得た気づきを共有します。

IT事業の支援内容を見る

ご相談について

企画や業務の課題を、ご相談ください。

Web開発やAIの活用、イベント運営の仕組みづくりについて、今の状況からご相談いただけます。具体的な方法が決まっていない段階でも、お聞かせください。

相談する